『ザ・デクライン』三部作


○後に『ウェインズ・ワールド』を大ヒットさせることになるペネロープ・スフィーリス監督が、当時のロサンゼルスの音楽シーンの最前線を活写した神話的なロック・ドキュメンタリーシリーズ。日本では『ザ・デクライン』は30年ぶり、『ザ・メタルイヤーズ』は27年ぶり、『ザ・デクラインIII』は完成から18年を経ての初の上映となる。スフィーリス監督はフレデリック・ワイズマンを信奉していると公言している通り、対象との距離の取り方には、その強い影響が伺える。
●ザ・デクライン The Decline Of Western Civilizaion ロンドンから発したパンク・ロックのムーヴメントがロサンゼルスで発火しつつあった1979年末の雰囲気を見事に伝える荒削りなドキュメンタリー。常識に唾を吐き、社会と迎合しないパンクスの魂そのものが捉えられている。元教会をアジトにするBLACK FLAGや、自殺直前のダービー・クラッシュのプライベートな姿を含むGERMSなどなど、ライヴ映像の数々と貴重なインタビュー満載。81年のプレミア上映ではキャパの三倍近くの観客が殺到し、機動隊が派遣されるような騒ぎとなったことが神話化を加速させたが、長い時間を経ても時代の空気を切り取った新鮮さはまったく失われていない。100分。
●ザ・メタルイヤーズ The Decline Of Western Civilization: Part II The Metal Years 前作から7年。パンクスが席巻していたロサンゼルスの音楽シーンは大きく様変わりし、カメラはヘヴィ・メタル=LAメタルへと向けられている。スティーヴン・タイラー、 ジョー・ペリー、 アリス・クーパー、 ジーン・シモンズ、 レミー・キルミスター、 オジー・オズボーンほか出演陣も超豪華。メジャー指向を隠そうとしない派手なステージとロックスターへの憧れが語られながらも、やや大袈裟なスタイルと言葉の中から真実を見出そうとする作者の姿勢が伺われる94分。
●ザ・デクラインⅢ The Decline Of Western Civilization: Part III 『ザ・デクライン』から17年後。再び、ロサンゼルスのパンクスの現在をリサーチし始めたスフィーリス監督は、ホームレスとして路上生活し、観光客に小銭をせびるガター・パンクスの存在に愕然とする。ハードコア・パンクの90年代の姿は、ミュージシャンではなく、路上に生きる彼らの状況から語られる。異色の相貌をもつ86分。


2016

4/30(土)
&5/1(日)
ザ・デクライン 19:30
5/2(月)
&3(火)
ザ・メタルイヤーズ 19:30
5/4(水)
&5(木)
ザ・デクラインⅢ 19:30
5/6(金) ザ・デクライン 19:30
5/7(土) ザ・メタルイヤーズ 20:10
5/8(日) ザ・デクラインⅢ 20:10
5/9(月)
&10(火)
ザ・デクライン 20:10
5/11(水) ザ・メタルイヤーズ 20:10
5/12(木)
&13(金)
ザ・デクラインⅢ 20:10

 

前売券(3作品)
※前売券販売は4/29(金)までです。
一 般 3900円
大学生 3900円
会 員 3600円
当日券(1作品)
一 般 1700円
大学生 1500円
中高予 1200円
シニア 1100円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円

期間中2作品以上ご覧になる一般・学生の方は、2作品目以降を上記料金から200円割引きます。