ルンタ

●ルンタ 『蟻の兵隊』(05年)『先祖になる』(12年)などの優れたドキュメンタリーを発表してきた池谷 薫監督の新作。池谷にとって思い入れの深いチベットの現状をテーマにした入魂の一作だ。
 中国の圧制下にあるチベットでは、平和的なデモであっても、ことごとく弾圧されてきた歴史を持つ。やがて体制への抗議の意思を表わすため、自らの身体に火を放つ者が現れた。そうして命を絶った者は、2009年から現在までで117人に及ぶという。なぜ彼らは、ここまで捨て身の行動をとるのか? 彼らを追いつめているものの実像とは?……
 映画は、かつてダライ・ラマの亡命政府の専属建築士として多くの建築物を手がけ、今はインドのダラムサラで元政治犯の支援に携わる日本人、中原一博に密着。彼の活動を通して、前半は亡命チベット人たちの生の声を聞き、後半はチベット各地を旅しつつ、焼身抗議の背景にあるメッセージを浮き彫りにしていく。自由を求め闘う人々と、彼らに心を寄せる者の姿がともに心揺さぶる、感動の111分。

●蟻の兵隊 第二次大戦後も上官の命令で中国大陸に残り、戦闘を継続した“日本軍山西省残留問題”を追った、池谷 薫監督の代表作。
 奥村和一は、山西省で終戦を迎えたが、人事係曹長から残留を命じられ、その後、中国内戦に巻き込まれて重傷を負い、捕虜となった。以来、強制労働を含む抑留生活を6年以上にわたって送り、1954年にようやく帰国した。しかし彼を待っていたのは「逃亡兵」というレッテルだった。軍籍は終戦の翌年に抹消され、軍人恩給も支払われない。上官の命に従い“蟻の兵隊”のごとく闘ってきたというのに。奥村は、仲間の残留兵とともに軍人恩給の支払いを求める訴訟を起こす。その証拠集めのため再び訪れた中国で、彼は驚愕の事実を知ることになる……。戦闘中は使い捨てられ、戦後も見捨てられ続ける一兵士の怒りを通して、戦争とは何かを真摯に問いかけた、今こそ見てほしい101分。


2015
8/29(土)
〜9/4(金)

ルンタ 10:45
蟻の兵隊 13:00
ルンタ 15:00

9/5(土)
〜9/11(金)

ルンタ 12:20
ルンタ 18:15

9/12(土)
〜9/18(金)

ルンタ 14:45

 

『ルンタ』
前売券
※前売券販売は8/28(金)までです。
一 般 1400円
大学生 1400円
会 員 1200円
当日券
一 般 1700円
大学生 1500円
中高予 1200円
シニア 1100円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円

『蟻の兵隊』
当日券のみ
一 般 1500円
大学生 1400円
中高予 1200円
シニア 1100円
会 員 1200円
学生・シニア会員 1000円