「連続講座:現代アートハウス入門
  〜ネオクラシックをめぐる七夜」

“ミニシアター”という呼称で親しまれてきた日本の〈アートハウス〉。
本講座では、〈アートハウス〉の歴史を彩ってきた傑作を「ネオクラシック(新しい古典)」と呼び、東京・ユーロスペースなど全国18の映画館で、7夜連続日替わりで同時刻に上映。2000年以降にデビューした気鋭の映画作家を講師に迎え、レクチャーや専門領域の異なるゲストとのトークで上映作品の魅力を語っていただきます。さらに、その模様をライブ中継で開催劇場のスクリーンに投影します。(コロナ禍の影響で、日程を変更したため、当館ではトークイベントは録画映像になります)

【上映作品】
『ミツバチのささやき』(監督:ビクトル・エリセ| 1973年/85年日本初公開|スペイン| 99分)
【トーク】濱口竜介(映画監督)、三宅唱(映画監督)、三浦哲哉(映画研究者)

『動くな、死ね、甦れ!』(監督: ヴィターリー・カネフスキー|1989年/95年日本初公開|ソ連|105分)
【トーク】山下敦弘(映画監督)、夏帆(女優)
 
『トラス・オス・モンテス』(監督:アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ|1976年/2010年日本初公開|ポルトガル|111分)
【トーク】小田香(映画監督)、柳原孝敦(翻訳家)

『緑の光線』(監督:エリック・ロメール|1986年/1987年日本初公開|フランス|98分)
【レクチャー】深田晃司(映画監督)
 
『山の焚火』(監督:フレディ・ M・ムーラー 1985年 86年日本初公開 |スイス|117分)
【トーク】横浜聡子(映画監督)、カラテカ矢部太郎(芸人・漫画家)
 
『阿賀に生きる』(監督:佐藤真|1992年/92年日本初公開|日本|115分)
【トーク】小森はるか(映画監督)、清田麻衣子(里山社代表)
 
『チチカット・フォーリーズ』(監督:フレデリック・ワイズマン| 1967年/98年日本初公開|アメリカ|84分)
【レクチャー】想田和弘(映画監督)
 



~参加監督からのコメントを紹介~
 
映画館でのみ感知することができるような、映画の「ささやき」があります。それを殊更聞こえやすくすることはできませんが、一緒に耳を傾けようと誘うように話したいなと思ってます。
――濱口竜介(映画監督)
 
学生時代、これと決めた特集上映に日参してはその晩、映画日記をつけたり、友人と朝まで長話をした。そうやって何度も反芻したあの場面やあのカットに今でもふと救われたり、悩まされている。
――三宅唱(映画監督)
 
『動くな、死ね、甦れ!』をどう言葉で表したらいいのか現時点ではさっぱり分からないのですが、とにかく一人でも多くの人に観てもらい映画の持つ力を体感して欲しいです。
――山下敦弘(映画監督)

二十歳を過ぎてはじめてシネコン以外で映画を観た。大丈夫、世界にはまだ余白があった。このだるさからいつか抜け出し、もう少し遠くまで歩けるかもしれないと、スクリーンを見つめながら思った。
――小田香(映画作家)
 
中学3年生のときにテレビで見た一本のヨーロッパ映画に衝撃を受けて自分の人生は激変しましたが、大人になりそれをミニシアターのスクリーンで見直したとき、その作品の真価をようやく知ることができました。 画集に印刷された絵画と実物のそれが違うように、映画もまた映画館で見てこそ味わい尽くせるものだと思っています。
――深田晃司(映画監督)
 
いい映画をみた時、衝撃や刺激を受けるというより、息をするのが、生きるのがほんの少し楽になるという表し方が自分にとってはふさわしい。それは既にある理解や感覚を超えた世界をみせられたことに不安になるからではなく安堵するからに他ならない。
――横浜聡子(映画監督)
 
何をどう撮ればいいのかわからなくなったとき、20年前につくられた一本の映画と出会い、背中を押されました。何年経っても現在を映し出す作品たちが、きっとこれから出会う人たちの未来を切り開いてくれるのだろうと思います。
――小森はるか(映像作家)
 
映画館の暗闇を一歩出たときに、世界の見え方が一変してしまう。アートハウスで、そういう体験を何度もしてきた。僕が映画作りで目指すのも、観客にそういう体験をしてもらうことである。
――想田和弘(映画作家)
 



2021
2/6(土)
 〜 2/12(金)
※日程変更となりました

2/6(土) ミツバチのささやき
&トーク
16:30
2/7(日) 動くな、死ね…
&トーク
16:30
2/8(月) トラス・オス…
&トーク
16:30
2/9(火) 緑の光線
&レクチャー
16:30
2/10(水) 山の焚火
&トーク
16:30
2/11(木) 阿賀に生きる
&トーク
16:30
2/12(金) チチカット…
&レクチャー
16:30

 

当日券のみ
(1プログラム)
30歳以下 1200円
一 般     
(31歳以上) 1800円