中央アジア今昔映画祭

 1991年ソ連崩壊後に独立したカザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5カ国はユーラシア大陸中央に位置し中国の新疆ウイグル自治区とは不可分であり、古来東西世界の交点としてロシアのムスリムやアフガニスタンとも深い繋がりを持つ。その多様性を俯瞰する温故知新の傑作シネマトリップ。★は初公開。
①テュベテイカをかぶった天使 Angel v tyubeteyke アジアの風景にソビエト建築が並ぶ都市アルマティ。伝統の帽子をかぶる教師タイラクの元に田舎の母親がやってくる。カザフ映画の父アイマノフのミュージカルな代表作。★88分。
②ジャミリャー Dzhamillya 出征した夫を待つ孤独なジャミリャーと義弟の少年セイト。そこにある負傷兵が現れる。キルギスの文豪アイマートフが原作のメロドラマ。★78分。
③少年、機関車に乗る Bratan 17歳のファルーと土を食べる癖の困った弟アザマットが父親に会いに旅に出る。『パリ、テキサス』に拮抗する家族の映画であり、監督名を世界に知らしめたタジキスタンの傑作。朴訥として光と戯れるモノクローム映像も圧巻。98分。
④黄色い雄牛の夜 The Night of the Yellow Bull/The Children of the Earthquake  トルクメニスタンの1948年大地震と粛清でほころびていく少年セルダルの暮らしを壮大な群像劇で描く。国内上映禁止処分でカンヌ出品が絶えた傑作。★121分。
⑤海を待ちながら Waiting for the sea 2015年急逝したフドイナザーロフ(③)の遺作。大湖アラル海の大嵐で家族と仲間を失った船長マラットが、今では干上がり荒野となった海で破船と対面する……。★110分。
⑥●40日間の沈黙 40Days of Silence 人生の節目に行う「沈黙の誓い」でビビチャが祖母の家に身を寄せ、四世代に渡る女性親族が集まる。88分。●彼女の権利 Her Right 20~80年代にウズベキスタンで撮影された映画に写るイスラーム教徒の女性をコラージュ。★15分。
⑦アイカ Ayka ロシアの病院から出産した子を残して去ったキルギス人アイカ。急増するロシアでの中央アジア移民労働者の実態を描く。カンヌ女優賞受賞作。114分。
⑧カーブルの孤児院 The Orphanage 1989年ソ連撤退が迫るアフガニスタンでインド映画が大好きな少年が孤児院で様々な人と出会う。だが国には新たな混乱が訪れようとしていた。異色の傑作! ★90分。



2021
12/11(土)
 〜 12/17(金)

12:10 14:35
12/11
(土)
12/12
(日)
12/13
(月)
12/14
(火)
12/15
(水)
12/16
(木)
12/17
(金)

 

当日券のみ
(1プログラム)
一 般 1500円
大学生 1300円
中高予 900円
シニア 1100円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円