ロメールと女たち〈全５作品・入替制〉

○エリック・ロメール　ヌーヴェル・ヴァーグの兄貴分として、ゴダールやトリュフォーとともに批評家・監督として活躍。大学で教鞭をとりつつ、80〜90年代にはヴァカンスシーズンに少数スタッフと軽いフットワークで恋愛小品を連作した。爽やかな初夏の風にピッタリな特集。
●海辺のポーリーヌ　Pauline à la Plage　ノルマンディの別荘での６人の男女の恋愛ゲーム。大人との端境期にある少女のひと夏の恋物語でもある。数あるロメールの美少女映画の中でも、アマンダ・ラングレの魅力が炸裂する傑作。陽光きらめく91分。
●満月の夜　Les Nuits de la Pleine Lune　郊外で建築家の恋人と同棲している、インテリアデザイナーのルイーズ。 一方で、彼女はパリにもアパートを持ち、家庭のある男との時間も楽しんでいた。２つの場所の間で揺れる彼女の心情をレナート・ベルタの繊細なカメラが捉える。この直後に急逝したパスカル・オジェの最後の出演作となった101分。
●緑の光線　Le Rayon Vert　ひとりでいるのも嫌なのに、ひとに合わせるのも馴染めないまま、気持ちを持て余すデルフィーヌ。ひとり訪れたビアリッツで、ジュール・ヴェルヌが書いた、日暮れ時に一瞬見える「緑の光線」の話を聞く。ロメールらしいシニカルさと優しさが同居する、美しい94分。
●レネットとミラベル／四つの冒険　Quatre Aventures de Reinette et Mirabelle　性格が対照的なふたりの少女が織りなすオムニバス形式の物語。ふたりの出会いを描いた〈青い時間〉、パリのカフェを舞台にした〈カフェのボーイ〉、犯罪をめぐる対話〈物乞い窃盗常習犯女詐欺師〉、レネットの絵を売ろうと奮闘する〈絵の売買〉。全編瑞々しさ溢れる99分。
●友だちの恋人　L’Ami de Mon Amie　偶然仲良くなった、内気な公務員ブランシュと奔放な女子大生レア。異なる人生の交錯が、思いがけない出会いと恋愛模様を描き出す。ファッショナブルで鮮やかな色彩感覚が、郊外のニュータウンの印象と重なり、ハイテンポな物語が駆け抜ける103分。


評論「エリック・ロメールの感触」大島真寿美


特集<ロメールと女たち>にむけて
　　ダミアン・マニヴェル (『若き詩人』『犬を連れた女』監督)

「僕はロメールの仕事と彼の人物像に、大きな敬意を抱いてます。そして、ロメールと女たちのまわりを巡るそれらの作品群の特集は、際立って興味深いものだと思います。

彼の作品の中に僕らは、彼の映画人としての忍耐強さ、ユーモア、そして彼が撮影する人々への寛容な理解を感じることができると思います。一本のロメール作品を観るとき、僕らは彼の存在と精神を垣間見ることができる。これは類い稀なことだと言えるでしょう。

ロメール作品はまた、偉大な独立精神と、粘り強い情熱によってコントロールされた作品制作による成果であると思います。だから僕は、彼の作品が若い映画人に、未だに刺激を与えていることに、ちっとも驚きを覚えないのです。

彼はとても愉快な人で、今日、彼の作品の再発見は絶対的に不可欠なことだと思います。
そして、その上映枠に合わせて『若き詩人』が上映されるなんて、僕はこのことをこの上なく誇りに思っています。

提供:IndieTokyo



2016
6/18(土)

海辺の… 12:50
満月の夜 14:45
緑の光線 16:45

6/19(日)
& 6/20(月)

四つの冒険 12:50
友だちの… 14:45
海辺の… 16:45

6/21(火)
& 6/22(水)

満月の夜 12:50
緑の光線 14:45
四つの冒険 16:45

6/23(木)
& 6/24(金)

緑の光線 12:50
海辺の… 14:45
友だちの… 16:45

6/25(土)

友だちの… 15:00

6/26(日)
& 6/27(月)

満月の夜 15:00

6/28(火)

緑の光線 15:00

6/29(水)

４つの冒険 15:00

6/30(木)
& 7/1(金)

海辺の… 15:00

　 　

前売券
※前売券販売は6/17(金)までです。
（２作品券）
一　般　2600円
大学生　2600円
会　員　2300円
（２作品券&トートバッグ）
一　般　3600円
大学生　3600円
会　員　3300円
当日券（1作品）
一　般　1700円
大学生　1500円
中高予　1200円
シニア　1100円
会　員　1300円
学生・シニア会員　1000円
当館窓口で前売券をお求めの方にポストカードをプレゼント（数量限定）。
トートバッグ付前売券は劇場窓口限定販売です。
同日に２作品以上ご覧になる一般・学生の方は、２作品目以降を上記当日料金から200円割引きます。