シャンタル・アケルマン映画祭

 1988年、アテネ・フランセ文化センター主催で当館にて特集上映をしたシャンタル・アケルマン(1950~2015)が、近作を加えて甦る。マイノリティのユダヤ系女性として、フラマン・フランス・ドイツの公用語と先進的文化が流通するベルギー人としてのとらえがたい閉塞や孤独感を時間や空間によって精緻に組み立て、なおかつ瑞々しい視点が存在する映像は、時代がようやくアケルマンに追いついたとしか言いようのないスペクタクルだ。傑作揃いの必見の作品集。
●ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地 Jeanne Dielman,23,quai du Commerce,1080 Bruxelles 実業家と結婚し夫を失ったジャンヌ(デルフィーヌ・セイリグ)は思春期の息子と質実な生活を送る。規律がリズムを刻むようなどこか危うい暮らしに、刻々と亀裂が走り始める衝撃。『去年マリエンバートで』『夜霧の恋人たち』などに出演した端麗なD・セイリグの表現力に圧倒される。200分。
●私、あなた、彼、彼女 Je Tu Il Elle 当時24歳のアケルマン自身が演じる名もなき女性の“私”のポートレイト。86分。
●アンナの出会い Les Rendez-vous d’Anna 新作プロモーションで都市を転々とする映画監督アンナ(オーロール・クレマン『パリ・テキサス』)。鋭い人間観察が漂う孤独や幸福の本質を絶妙な構成で描き出す。127分。
●オルメイヤーの阿房宮 La Folie Almayer アジア奥地に住むオルメイヤーは現地で生まれた娘を愛し外国人学校に入れるが娘は反発するように放浪を重ねていく。『地獄の黙示録』の原案小説家J・コンラッドの文学作品を脚色。家父長制を主題に、アジアの街を自在に動く娘を美しいショットで追う。127分。
●囚われの女 La Captive 祖母の豪奢な邸宅の相続人であるシモンはラシーヌ研究者で恋人アリアーヌと暮らしながらも彼女の友人女性への複雑な強迫観念に駆られていく。M・プルーストを原案に影と光の見事な技巧で現代のヌーヴォーロマンを描く。117分。



2022
7/9(土)
 〜 7/15(金)

7/9
(土)
13:35 ジャンヌ…
  17:15 私、あなた…
7/10
(日)
13:35 アンナの…
  16:15 オルメイヤー…
7/11
(月)
13:35 私、あなた…
  15:20 ジャンヌ…
7/12
(火)
13:35 囚われの女
  16:00 アンナの…
7/13
(水)
13:35 ジャンヌ…
  17:15 私、あなた…
7/14
(木)
13:35 オルメイヤー…
  16:10 囚われの女
7/15
(金)
13:35 私、あなた…
  15:20 ジャンヌ…

7/16(土)
 〜 7/22(金)

7/16
(土)
17:00 囚われの女
  19:20 アンナの…
7/17
(日)
18:10 ジャンヌ…
7/18
(月)
17:00 アンナの…
  19:30 私、あなた…
7/19
(火)
18:10 ジャンヌ…
7/20
(水)
17:00 アンナの…
  19:30 オルメイヤー…
7/21
(木)
18:10 ジャンヌ…
7/22
(金)
17:00 オルメイヤー…
  19:30 囚われの女

 

前売券
(1作品)
※前売券販売は7/8(金)までです。
一 般 1100円
当日券
(1作品)
一 般 1700円
大学生 1400円
中高予 1000円
シニア 1200円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円


※当館窓口で前売券お求めの方、ポストカードセットプレゼント中(数量限定)。